私は、長崎県在住のランサーで、昨年まで東京消防庁に勤務していた者です。私が所属していた東京消防庁は、人の命を救うという特殊でストイックな業務内容ですので、毎日ピンと張りつめた緊張感の中で仕事をしていました。それは、いつまで経っても慣れることはなく、消防吏員一人一人がこれから来るであろう災害に備え、緊張感を持って仕事をしていました。勿論、私もそうでしたし、そうなった理由もあります。ある日私は、「今日は災害がなければいいな」と考えてしまった日がありました。その当時の私は、担当業務である超過勤務手当の確認作業に追われ、災害に出場している時間などない程でした。しかし、そんな私の淡い願望も虚しく、その日は最寄駅の人身事故による救助活動が2件発生し、災害事務処理で徹夜することになりました。このようなことは多々あり、「今日は平和な1日であってほしい」と願えば災害出場は多くなり、「今日は何だか忙しい1日になりそうだ」と腹をくくっていたら、何もない1日で拍子抜けしたりしていました。そこで私はこう思ったのです。人間は油断している時に災難に巻き込まれやすいのではないかと。こうして、私は毎日の勤務に緊張感を持ち、どんな災害でもかかってこいという気持ちで勤務することになったのです。するとどうでしょう、1年前は4件も発生していた管内の延焼火災がその年は何と0件で、焼損床面積は0平米でした。この記事を読んでくださっている皆様も、このような不思議な体験をした方はいらっしゃいますでしょうか。私は、上記のような経験をもとに、常に最悪のケースを想定し、決して油断せずに行動することを心がけるようにしています。そうすることで、不思議と最悪のケースというものは、どこかへ行ってしまうのです。勿論、そうでない時もあるでしょうが、油断していた時と比較して、危機に直面した時の対応も良くなってきます。皆さんも、「~だといいな」と油断せずに、生きてみてはいかがでしょう。
27歳、男性、「~だといいな」はそうならないジンクス
