二十代後半、3回目の転職を前に挫折しそうなアラサー男です。おまじない、とか、占いとかあまり信じなかった中学時代なのですが、ひとつだけ試したことのあるおまじないがあります。当時、非常に仲のよかった女子(異性としての意識はまったくない)とちょっとしたすれ違いから、険悪な関係になってしまいました。完全に私が彼女に失礼なことをしてしまったことになるのですが、悪気はまったくなかったのです。ただ、彼女は完全に、私を避けるようになり、あらぬことも言われるようになってしまいました。私はなんとも感じていないように振舞っていたのですが、内心、また以前のように彼女と楽しく会話したり、ちょっとしたゲームをしたりする関係に戻りたいと思っていました。おまじない、なんて子どもじみている、と思っていたのですが、両親が共用で使っているパソコンで関係修復の方法についてキーワード検索をつづけていった結果、非科学的な方法にたどり付きました。方法は緑色の色ペンでふたりの名前を書き、彼女の名前の紙を上にしてテープで貼り付け、祈りを込めて、星空の光にかざす、という、至極シンプルなものでした。ほかにもいろんな方法が書かれていたのですが、一番簡単で、なおかつ誰にもバレずにできそうだと、この方法を試しました。結果は、まったく効果がありませんでした。翌日の朝に少し期待して、わくわくして登校したのですが、彼女の態度は変わらずでした。それから数年が経って、お互いそんなことを忘れていた同窓会で、何のしこりもなく彼女が話しかけてくれました。お互いにあの当時のギスギスを苦笑しながら話し、いまになってようやくあのおまじないの効果が効いたのか、と思ったりしました。おまじないや、科学的な根拠のない力に頼るのもちょっぴりならいいかもしれません。ですが、やはりもっと効果的で、かつ即効性のある方法は、お互いに会話を重ねながら、自分の力で関係を築くことだと思います。
二十代後半男、おまじないに頼った中学時代
