大学生だった時、ボランティアサークルに所属していて、ボランティアで障がい者の介護をしていました。しかし、段々と事業者さんや利用者さんとの信頼関係が深まっていくうちに、ぜひ有償でヘルパーをしてほしいと言われました。簡単な講座を受ければお金をもらえるようになる、ということで、講座を受けて簡単な資格を得て、ヘルパーのバイトをすることになりました。介護の内容は相手によって異なりました。例えば知的障がい者の人がお出かけするのに付き添ったり、身体障がい者の洗濯や料理といった身の回りのお世話をしたり、お風呂に入る代わりに体を拭いてあげたり、といったことをしていました。家からデイケアセンターまでの朝夕の送り迎えなどもありました。時には、一緒に映画を観たりカラオケに行ったりすることもあり、こちらも楽しみながらお金をもらうことができました。もちろん、映画の趣味は相手に合わせなければいけませんでしたが。朝夕の送迎などは1時間程度で終わってしまうので、それほど稼ぐことはできないのですが、買い物などのお出かけへの付き添いは数時間になるので、割とまとまったお金になりました。特に、泊りでの介護だと時給もアップし、拘束時間も長くなるので一泊で1万円程もらうことができました。これも大変さは人によりけりで、一晩中なんども寝返りの手伝いをしなければならない場合もあれば、一度寝てしまえば朝までぐっすり眠る方もいて、後者の場合はこちらも寝ながら時給が発生するのでとても好条件だったと思います。私と同様に大学生バイトとして介護をしていた仲間の中には、親の扶養の金額以上の稼ぎになってしまった人もいたほどです。ヘルパー不足のこのご時世なので、学生でもとても重宝されました。ただ、必要とされるとなかなか断れない性格もあり、徐々に介護で拘束される時間が増えていってしまいました。ヘルパーを探す方も、見つからなければ生活に支障が出るため必死なので、それを断るのは、難しいことでした。結局、自分の時間がほとんどなくなり、ストレスをためんでしまったため、3年生の時にきっぱりと介護の世界から離れることを決断しました。
34歳 女 自分の時間を失い過ぎました
